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鶏の雄ちゃん雄ちゃんです。

 これは、平成三年、読売新聞四国版の一面に掲載された、参鍋養鶏場紹介の記事であります。ちょっぴり恥ずかしいですが、せっかくなので、ここに載せておきます。

 写真だけではよくわからないと思うので、以下に記事の文章全文も載せておきます。


あ、ちなみに、写真右上部分の記事は無関係ですから。念の為。(w




 ふるさと夢ロマン
 

 愛媛・川之江
 
 山頂から栄養どうぞ

 釣りのシーズンを迎え、遊漁船が数を増した瀬戸内海を見下ろす標高五百bの頂。地ドリの群れの中で、参鍋(さんなべ)修一さん(四一)は卵を集める。邪魔しようとするいたずら小僧や、エサを求めて甘える食いしん坊が寄ってくる。見やる参鍋さんの目は優しい。

 香川、徳島と県境を接する愛媛県川之江市金生町切山地区。卵は有精卵だ。「一日に何個まで食べてもいいんですか」。有精卵に栄養が有り過ぎると心配して、大阪からこんな手紙が届いた。差出人は知らない人。公害、自然破壊を嫌い「安全で栄養のある自然食品をつくりたい」と始めた参鍋さんは、思いがけない反響がうれしかった。

 鳥取大で農業経営を学んだあと、戻って農業を継いだ。有精卵を手がけたのは約三年前。「何でも自然が一番」と、この頂に広い鶏舎を何棟も作り、大阪や松山でヒナを仕入れて育成した。配合飼料も自然食品で自分で作る。

 無精卵が一`百数十円の時代。有精卵で採算をとるには四百円で売らなくてはならない。コツコツと店を歩き「売れなかったら引き取る」という条件で置いてもらった。やがて消費者に有精卵の良さが見直され、自然食ブームもあって人気が出た。今は、愛媛を中心にスーパー十店に出荷、大阪にも出している。直接注文してくる人もおり、生産が追いつかない。

 オスは、体長50aもあり、トサカはあくまで真っ赤。胸を張って歩く。メスももちろん元気がいい。「こんな私たちのつくる卵だから栄養たっぷりですよ」とでもいいたそうだ。

 現在約三千羽。ひなもいる。世話は大変。朝早くから夜遅くまで目が離せず、休みもままならない。けれど、「道を切り開けるのは自分の力だけ。納得してます。」と参鍋さん。

 大阪の人の質問が気になり、最後に繰り返してみた。「二個も食べれば栄養は充分ですよ」。その言葉に目的を達成させつつある満足感があふれていた。

文 地方部 川口真司
写真 若林幸男


写真のキャプション:参鍋さんの地ドリは人なつこい。カメラを近づけると寄ってくる。



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